事業経営には、いくつもの要素があり、
それに伴い、さまざまな論点から事業成長が語られています。
そして、事業が成長してくためには、それらいくつもの要因が
全体として(システミックに)うまく機能することが必要です。
このことを理解した上で、私がいつも提唱しているのは、
成長し続ける事業設計に、最も重要な要素が2つあるということです。
それは、① 戦略的な「事業モデル」の設計と ②「オペレーション」を強化する仕組みです。
顧客が満足する形で、価値を提供し続ける「オペレーション」の質を高める仕組みと、
事業継続のために十分な再投資ができるだけの利益を得られる「事業モデル」が
設計されていること。
この2つの要素それぞれに、さらに様々な検討要素がありますが、
検討する際のポイントをそれぞれ挙げるならば、
- 事業モデル設計・・・取引の枠を広げてみる
- オペレーション強化・・・顧客体験を数値化する
1つ目の事業モデル設計の「取引の枠を広げてみる」というのは、
商品を単体・単発で販売して利益を得ようとする取引形態に固着せず、
取引サイクルを大きく捉えてみるということです。
たとえば、時間軸で考えれば、最初の取引では利益がほとんど出なくても、
後続の取引で利益を出し、事業全体としてはしっかりと利益を確保できる設計にする。
あるいは、利益が得られる顧客とそうでない顧客がいることを前提に、
全体として利益を得る、あるいは、利益率の高い商品とそうでない商品をミックスして、
全体として利益を上げる。
このように、単体の取引単位でなく、全体の枠組みで捉え、利益が拡張してくような
事業モデルの組み直しができないかを検討します。
2つ目のオペレーション強化の「顧客体験を数値化する」というのは、
自社のオペレーション精度を数値化して捉えることです。
その際に、オペレーション効率のだけの視点でなく、
顧客の視点から、自社のオペレーションの品質を評価できるように
数値管理をすること。顧客体験の良し悪しを表す指標を設定するというものです。
これらの要素を、うまく設計し実行するのは決して簡単ではありません。
ただ、継続的な事業成長を促すには、どちらも欠かせないものです。
今後も別のコラムでそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。